メディカルライターの私が生成系AIの使用にあまり積極的でない理由

こんにちは。メディカルライターのYukaです。

今日は、私がこれまで関わってきたメディカル翻訳やメディカルライティングの仕事を振り返りながら、機械翻訳や生成系AIとの関わりについて思っていることを書いていきます。

機械翻訳との関わり

私は2021年にメディカル翻訳とメディカルライティングの仕事を始めました。最近は主にメディカルライティングを行い、翻訳の仕事は減っていますが、ライティングの中で英訳をすることはあります。

これまでに国内外の10社以上の翻訳会社と契約し、そのうち5社からは継続的に案件をいただいていました。受注した案件のほとんどで、CATツールと呼ばれるソフトウェア上で翻訳メモリ(過去の対訳のデータベース)を使いながら作業していました。国内の1社の案件では、機械翻訳が搭載されたMTPE(機械翻訳ポストエディット)も行いました。この会社の機械翻訳はメディカル翻訳に特化しており、当時のGoogle翻訳やDeepLに比べて精度は高かったようですが、原文が曖昧な場合には誤訳も見られました。

機械翻訳のメリットとデメリット

翻訳の仕事は納期が短いことが多く、何もないところで一から翻訳するより、機械翻訳を修正する方が楽に感じられました。

一方で、MTPEに慣れてしまうと、機械翻訳がない場面での翻訳に不安を感じるようになりました。 MTPEでは機械が出してきた訳文をできるだけ活かそうとするため、一から構文を考えたり、文と文のつながりを自然にする力が衰えてしまう心配もありました。

生成系AIとの関わり

現在私が受注しているライティングの仕事では、生成系AIを使うことが禁じられているか、または使用範囲が明確に決められていないかのどちらかです。そのため、今のところ生成系AIを積極的に活用する予定はありません。

SNSなどでは「生成系AIを使わないと時代に取り残される」という意見もありますが、私は現時点で仕事において必要と感じられないため、積極的に使っていません。特に禁止されていない場面(たとえばこのブログ)で、アイデア出しや文章のリライトに使うことはありますが。

私がこの仕事を続けている理由の一つは、翻訳やライティングの作業の楽しさなので、その楽しさを機械に奪われたり、機械に頼りすぎて自分の言語スキルが衰えたりすることは避けたいと思っています。

まとめ

メディカルライターの仕事において生成系AIが推奨されるようになるまでは、生成系AIとはできるだけ距離を置いて付き合っていくつもりです。情報があふれる時代において、何を信じるか、何を選ぶかが、ますます重要になっていくと思います。情報を取捨選択する力を鍛えるためにも、自分の頭で考え、自分の手を動かす時間を大切にしていきたいです。

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